copywrite by Nakano
Mineko
イラストに添えられている‘詩’はコピーライター中野 峰子 様に寄るものです。
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正月にゲイラカイトをわらぶき屋根の田舎家に里帰りした孫と
豊かなる新年の始まり。
久しぶりに見る孫の笑顔に
新年を迎えた喜びを感じる。
わらぶき屋根の田舎家に
みんなの幸せが集まってくる。
新しい時代にも変わることのない、
情緒豊かな日本のお正月。
+
朝日に輝く雪化粧の茅葺き屋根を見て、雪投げしながら
大地は春支度。
何度目かの雪が降った。
子らは雪投げしながら登校し、
はしゃぎ声が里に響き渡る。
春はそう遠くない。
木々は冬芽をふくらまし、
渡り鳥は旅の準備をはじめている。
+
桃の花咲く里山で小学校内マラソン大会、農小屋をぬけて
おひさまからのおくりもの。
やわらかくかおる空気の中
小鳥たちがさえずり、
菜の花で照らされた道を
子どもたちは走る。
宅配便のトラックが過ぎる。
今、春が届きました。
+
町営バス停留所、山桜の咲く里山ウォーク
春のじかん。
桜の便りに誘われて
のどかな日差しと
土のにおい、木々のささやき。
バスが来るまでの間
春の一部になる。
+
レンタサイクルで田舎街道、小さな町めぐり
さつき晴れ。
山が緑に覆われるころ
水田は水をたたえ、
フジの花が咲き始めると
街道は人々でにぎわう。
空は青く澄みわたり、
山のむこうまで初夏。
+
乗り合いゴルフ帰りに朝取り野菜の直売所
いなかみち。
日暮れには時間があるから
車をとめて、みちくさ。
土のついた野菜を
トランクにのせるとき、
水田に映る雲のかたちに
梅雨の訪れを感じた。
+
+
ひと休み
ヒマワリの咲く山あいのグランドで少年野球チームの練習
試合開始。
青空にわきあがる入道雲。
頭をたれたヒマワリ。
きらめく川面すれすれを
オニヤンマが横切った。
少年たちの声がこだますると
里の夏がはじまる。
+
峠越えのバス、路肩の草刈り
夏休み。
刈りたての草のにおいと
降りそそぐセミの声の中、
木陰でちょっと昼寝。
風が通りすぎたとき
バスの音が聞こえた。
明日には孫がやってくる。
+
趣味の絵画クラブで写生旅行に里山へスケッチ
秋のはじまり。
草陰でコオロギがはねて
コスモスが小さくゆれた。
林を通り抜ける風に
稲穂が波の音をたてる。
風景を描く人たちの
筆洗う水も秋の色。
+
幼稚園の芋掘り遠足に稲刈りも終わった里山に
ほんものの秋。
青空にいわし雲が現れ、
柿の実が熟れはじめる。
爪の間に土の入った手で
誇らしげに差し出された
大きなさつまいも。
食卓に「ほんものの秋」の到来。
+
定年後、夫婦で紅葉狩りのバスツアー、茅葺きの茶屋で
秋の休日。
山あいをバスに揺られて
今日は紅葉狩りを楽しむ。
歩くたびに足元の落ち葉が
サクサクと音をたてる。
少し肌寒くなってきた。
帰りに甘酒を飲もう。
+
里山の自然、野鳥を観察
バードウオッチング。
双眼鏡をリュックに詰めて
まだ薄暗いうちに家を出た。
しっかり服を着込んでも
冷たい空気に身がひきしまる。
野鳥を見つけ、歓声をあげる。
声をころして、そっと静かに。
+
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