ふと目にとまる、身近な風景が絵になります。日々の生活、足下で、ゆっくりと流れる時間、イラストでトリミング。

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狛犬、灯籠、石畳、境内では、おみくじの花が咲いた老木をバックに、晴れ着の撮影会。

初詣。
子どもが生まれ初めて迎える
家族三人のお正月。
振り袖姿のむすめさんに
二十年後の我が子を重ねる。
かしわ手打ってそっと祈った。
べっぴんさんになりますように。

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ショッピングセンター屋上の駐車場、道が白くなり始めた、運転手さん急いで帰って。

アップルパイ。
小3の娘と二人で選ぶ
バレンタインのプレゼント。
クラスの男子にクラブの先輩
義理チョコばかり買い込んだ。
初挑戦のアップルパイは
誰にあげるか出来栄え次第。

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暫時もやまず鎚うつ響

カウントダウン。
学校帰りの寄り道は
いつもお決まりの鍛冶屋さん。
看板、燭台、飾り棚、
自分が作った気分になった。
花の扉の完成はいつ?
卒業まではカウントダウン。

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枝垂れ桜をバックに、ショッピングモールでイベント、琴と胡弓のセッション。

お花見。
ビルの谷間の一角に
春たけなわの演奏会。
弦の奏でるメロディーが
初めてなのに、懐かしい。
花びら水面にゆれるとき
平安時代が見えた気がした。

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定年後、家に隠ってばかりいないで。少しの広場と木陰があれば、電動カーもあるし。

空と風。
自転車で街を走っていたら
いつもの景色が違って見えた。
ちいさな鯉のぼり泳ぐベランダ、
木漏れ日ゆれる並木道。
五月の空と風に誘われ
もっと遠くへ行きたくなった。

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梅雨の晴れ間、マンション、アパート、公営住宅、住めば都。

洗濯日和
何日ぶりかの快晴に
家中の窓を開け放つ。
洗ったシーツを振りさばくとき
ほんの一瞬はなうた止まる。
午後は一緒にお茶しませんか?
ベランダ越しに声がかかった。

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夏のはじめ。
魚師の船が出払った
静かな港のお昼前。
小さな漁船を塗り替えた
釣り船が今、帰港する。
日焼けの初老が見守っていた。
大漁旗が風に踊った。

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青空の夏、ニワトリ小屋のある庭で物干、水遊び。

帰省。
一年ぶりに子供を連れて
実家へ帰る夏休み。
変わらない庭とセミの鳴き声
ホースでつくる水しぶき。
小さく出来た虹の向こうに
幼い頃のわたしが見えた。

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庭をオープンにした新しい住宅街、ガルバリウム鋼板、目隠しフェンスのある家。

坂の街。
こんがり焼けたバターの匂いが
秋晴れの空に広がると
季節外れのセミが一匹
ジジジと鳴いて飛び去った。
9月の風が吹き抜ける
ゆるやかな道、坂の街。

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農家が集まり年に一度のイベント、案山子も参加

収穫祭
手間ひまかけた野菜持ち寄り
土の香漂う収穫祭。
ちょっと曲がったニンジンだけど
「赤」と呼べるほど色が濃い。
はずんだ声が秋空に響く。
母なる大地に感謝した。

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ARTの街。

秋の風景
色とりどりに落ち葉舞い散る
遊歩道での展覧会。
通りすがりに足を止め
ほんのひととき時間を忘れる。
街のざわめきはもう聞こえない。
あなたも景色の一部になった。

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Xmasへ向けて、街はイルミネーションの準備。

クリスマスプレゼント。
子どもの視線がクギヅケになる
クリスマス前のショーウィンドー。
サンタさんへのお願いなぁに?
返事は返って来ないまま。
今年も調査は難航しそう。
今日はワインを買って帰ろう。

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